名前内村 宏幸
うちむら ひろゆき
出身地熊本県人吉市
生年月日1962年6月22日
主な担当番組– 夢で逢えたら
– オレたちひょうきん族
– ダウンタウンのごっつええ感じ
など

Q:今後、関わってみたい番組は?

・「放送作家大学」というタイトルで、活躍中の放送作家の企画の考え方等を
 東進ハイスクール方式の画で、放送はEテレ
・深夜の少しHなコント番組
・衝撃的な5分番組

Q:今後の放送作家としての展望や人生の目標は?

・海外のコント番組の脚本を書きたい
・お笑いを音楽と同等の価値にする
・ある程度の潤沢な予算で制作される上質なコメディ
・自分が書いたショートショートのアニメ化
・映画を撮りたい

Q:まだ出来ていないけどいつか仕事をしてみたい芸能人は?

薬師丸ひろ子
中井貴一
阿部寛

Q:放送作家になってから1番嬉しかったことは?

宮崎美子さんが人気絶頂のアイドルだった頃、自分は高校生で、地元熊本県で握手会があり握手をしてもらった。それから時が流れ、「サラリーマンNEO」という番組でゲスト出演してもらうことになり、打ち上げでその事を打ち明け、30年の時を経て、今度は自分だと認知されて再び握手をした。
あと、本を出版できたこと。


 「放送作家大学」っていうのは?

 他の放送作家の方もそうだと思うけど、この年齢になると仕事をするうえでの自分の教科書みたいなものが出来上がってるんだよね。そーたに君も高須君も中野君もみんな持ってると思う。そういうものをみなさんに伝えられないものかなと。テレビの仕事じゃない人も応用できると思うし。これをEテレでやりたいんだよね。

 これは放送作家はみんな見たいやつですね。あとは、海外のコント番組を作りたいっていうのは?

 2007年に「サラリーマンNEO」が国際エミー賞のコメディー番組部門にノミネートされて、他の国のコメディーも見たんだけど、正直、僕は日本のお笑いはレベルが高いんじゃないかと思ったの。だけど、やっぱり言葉の壁があって。日本のコメディーでも外国の人が笑うポイントって、変な顔した時とか、派手なリアクションの時なんだよね。まだその言葉の壁を乗り越えて、日本人で世界的にコメディーで大成功した人っていないと思ってるから、自分がそれになれればいいなと思ってるんだけど。

 お笑いで世界的に成功するって本当に難しいらしいですよね。英語が分かる人に言わせれば「日本人が思ってるよりはアメリカのコメディーは面白い」と。「つまらないんじゃなくて、うまく翻訳できてないだけだ」って言いますしね。特に日本のお笑いってニュアンスとか伝えるの難しそうですもんね。

 そう。日本の笑いの感覚を理解しつつ、翻訳できる人じゃないとダメだから。だからずっとお笑いを翻訳できそうな人を探してるんだけど、なかなか見つからない(笑)

 なかなかいないものなんでしょうね。海外のコメディー作品を見て、他に感じたことってありました?

 これは僕の感覚だけど、脚本家の地位が高いのかなっていうのは感じたかな。国際エミー賞にノミネートされた5か国で、セッションみたいなのがあったんだけど、そこで「サラリーマンNEO」の制作費を聞いた海外のテレビマンが、その安さにびっくりしていたの(笑)本当のところはちゃんと確認できていないんだけど、どうやら制作費が1桁くらい違うみたい(笑)たぶん脚本家のギャラも全然違うだろうし、脚本家の地位も日本とは違うような気がしたなぁ。

 そうですか。失礼ながらお会いする前から勝手な内村さんのイメージがあって、作家の地位とか気にしていない人かと思ってました。

 あぁ、そう?

 すごく職人的なイメージで「コントさえやれていれば俺は何でもいい」っていう感じなのかなと(笑)

 もちろん、そういう部分もあるんだけどね(笑)なんなら40歳まではそんな感じだった。40歳過ぎると色々なことを思うようになるんだよね。30代までは他人のことなんてどうでもいいと思ってたし(笑)だから自分がスクールをやるなんて思ってなかった。

 この取材のご挨拶と、今度改めてそのスクールの取材もさせていただくために、先日、スクールに見学に行かせてもらいましたけど、あれはいつからやられているんですか?

 あれは2013年から。

 どういう思いで始められたんですか?

 若い人にコントの書き手が増えて欲しいという思いもあるし、さっき「放送作家大学」の話の時にも言ったけど、自分が培ってきたものや歩んできた道みたいなものを伝えたいという気持ちになったんだよね。テレビ業界を目指していない人にも役立つ話は出来ると思うので。

 受講生の方々を見たら、年齢層も幅広くて、50代くらいの方もいましたもんね。このスクールから放送作家になられた方はいらっしゃるんですか?

 2人放送作家になってる。あと、APさんになった人もいるし。

 このスクールに関しては10月頃に改めて取材させていただきますので、よろしくお願いします。

 それは是非お願いします(笑)

 あとは、映画監督をやりたいというお気持ちもあるんですね?映画の脚本はやられたことはありますよね?

 脚本は「サラリーマンNEO」が映画をやった時と、ウッチャンが映画監督やった時に手伝ったくらいかな。

 監督はまだやられたことがないんですよね。どんな内容の映画を撮りたいとかはあるんですか?

 もちろんコメディー。僕はコメディーしかやらないと決めてるから。恋愛ものとか、感動するものは出来ないから(笑)最後に少しだけホロッと感動させる、とかはあるかもしれないけど。
   
 やっぱりご自身でもクリエイターとしてのアイデンティティは「お笑い」だという意識があるんですか?

 これも本に書いたけど、三谷幸喜さんに「サラリーマンNEO」に出ていただいた時にご挨拶させてもらったんだけど、そこで憧れの三谷さんからお褒めの言葉をいただいて「僕は一生お笑いを頑張ろう」って決意したから。

 後日、三谷さんのコラムに内村さんのことが書かれていたっていう話ですよね。三谷幸喜さんに褒められるってすごいですよね。憧れの人で、お仕事を一緒に出来てテンション上がった人って、三谷さん以外だと誰かいますか?

 志村けんさんだね。

 あ~、そっか。「となりのシムラ」ですよね。この薬師丸ひろ子さんっていうのは?

 薬師丸ひろ子さんは昔からのファン(笑)アンケートに書いている宮崎美子さんに会えた時はめちゃくちゃ嬉しかったから(笑)
   
 学生時代の憧れの人に会えた時ってテンション上がりますよね(笑)中井貴一さん、阿部寛さんもファンなんですか?

 もちろんファンなんだけど、このお2人はコメディーがうまいと思う役者さんだから、いつかどこかでお仕事したいんだよね。

 なるほど。内村さんは映画とかドラマを見る時も、役者さんをコメディーが出来るかどうかの目線で見てるんですか?

 そう。逆にそういう目でしか見ない。演技が上手くて、なおかつコメディーが出来る役者さんって、そんなにいないと思ってるから、そういう役者さんとは是非お仕事したいって思う。

 では最後に…「年齢を重ねることで何かを伝えたいという気持ちになってきた」とおっしゃっていましたが、後輩の放送作家に伝えたいこととかありますか?

 「やりたいことは全部やっておいた方がいい」っていうことかなぁ。僕は50歳過ぎてから色々やりたいことが出てきちゃったんだけど、やりたいとは思っていても体力がついてこないとか、発想が冴えてる30代の時にやれば良かったな、とか思うから。僕の周りの若い人で「やりたいことはあるけどもっと勉強してからやろうと思います」とか「今がそれをやるタイミングじゃないと思っています」っていう人がいるけど、「いやいや、今やった方がいいよ」って思うからね。若い時に思い付いたことは全部やるくらいの気持ちでいいと思います。

 これまた僕の勝手な内村さんのイメージで「放送作家は放送作家の仕事だけやってればいい」っていうような考えなのかと思っていたんですけど、全然そんなことないんですね?

 うん、むしろ新しいことが好きだから。アンケートにも書いたけど、アニメの仕事とかやってみたいし。会う人会う人に「テレビ以外の仕事やりたい」って言ってきたから。

 内村さんもテレビ以外の仕事をどんどんやりたいんですね。

 僕はこれまでの人生、ずっとサボってきたっていう意識があるから。

 サボってきた?むしろ、コントをずっと書き続けてきて、放送作家としてめちゃくちゃ頑張ってるじゃないですか。僕が言うのも失礼ですけど。

 何て言うんだろう…人から与えられたものをやってきただけっていう感じなんだよね。0から自分で作り上げたことがあまりないっていうか。それが50歳過ぎてから急に色々やりたいことが出てきたんだよね(笑)

 いや~、内村さんがそんなことを思ってるとは。

 だから1年だけでもどこかの事務所に所属して、マネージメントしてもらったら仕事の幅も広がるのかなって本気で考えてたことはあったんだけどね。だって映画監督とかはマネージメントしてもらったりしてるでしょ?放送作家ではあまりいないと思うけど。

 あ~、そうですか。

 だから、深田君のこの「放送作家名鑑」を聞いた時も凄いなって思った。確かに僕も知り合いからしか仕事が来ないなって心のどこかで思ったし。だけど、これまでは「放送作家は繋がりを大事にするしかない」としか言えなかったからね。だから、これは画期的なサイトだと思うし、みんながここに集まればいいのになって思うよ。僕もここに載ったのをきっかけに新たな仕事が来ればいいなって思うし。

 それは嬉しいお言葉です。ありがとうございます。これはしっかり書かせていただきますね(笑)僕としてもこのサイトがきっかけで内村さんに新しい仕事が来れば、めちゃくちゃ嬉しいですからね。

 ですので、このサイトも是非頑張っていただきたいです(笑)

 ありがとうございます!(笑)