

名前 | 谷田 彰吾 たにだ しょうご |
出身地 | 神奈川県横浜市 |
生年月日 | 1980年6月3日 |
主な担当番組 | – 中田敦彦のYouTube大学 – まふまふの『ひきこもりでも◯◯したい!』 – 青春高校3年C組 など |
Q:今まで自分が通した中でベストな企画は?
・トリナオシ
2014年の大晦日に放送した特番。破天荒な過去を持つ芸能人が、思い出に残っている一枚の写真を同じ構図で撮り直し、数奇な人生を明らかにしていく人間ドキュメントバラエティ。数字も良く、内容への評価も高く、2回目がほぼ内定していたのですが、とんでもないことが起きて再編集再放送することに。(本当にトリナオシになった)でも、出会いという意味で作家人生の転機になった。
・コレコレがテレ朝でアイドルPをやってみたら
テレ朝動画で配信したコンテンツ。配信者×キー局というだけでチャレンジなのに、番組に株式制度を導入した。番組を使ってビジネスを展開する新しいモデルを作ることができた。
Q:放送作家になってから1番嬉しかったことは?
テレビ界のメインストリームに入っていけなかった30歳ぐらいの頃、料理の鉄人、ハンマープライス、ミリオネアなどの演出家・田中経一さんの車に乗せてもらい、「お前はなんで売れないんだろうな、イイと思うんだけどな」と言っていただいたこと。それがあったからなんとか頑張れた。
Q:ディレクターやプロデューサーにアピールしたいことは?
・YouTuberやネットクリエイターのコンテンツを日本一やっている放送作家だと思います。
・TVとWebを掛け算するプランニング会社を起業しました。YouTube展開をからませたり、Webのエッセンスを加えたいつもと違う企画を作りたいと思ったらお声がけ下さい!
・ただイイ番組を作るんじゃなくて、番組をハブにしてビジネスに展開したり、マネタイズまで考えられる視野は圧倒的に広いと思います。
・スポーツ番組は15年以上やっているので、どの競技でも対応できます。
Q:今後の放送作家としての展望や人生の目標は?
テレビマンと異業種のクリエイターを掛け合わせた全く新しいクリエイティブギルドを作る!
テレビはつまらなくなっただの斜陽産業だの言われてますが、僕はテレビマンの才能は他業界のクリエイターにも負けないと思っているので、テレビマンをもっとハイブランド化し、外の世界で仕事をする新しいスタンダードを作って、テレビマンの価値とポテンシャルを最大化する!
深田 谷田さんはYouTubeの仕事をやられたり、広告とかCMとか、テレビ以外の仕事もたくさんやられてますけど、そのきっかけは何かあったんですか?
谷田 僕が34歳くらいの時に、今、一緒に会社をやっている関口という男と出会ったんですね。彼は制作会社のADで、いくつか特番をやっているうちにすごく仲良くなったんですよ。で、一連の特番が終わって、しばらく会わなかったんですけど、ある時、急に電話がかかってきて「ぼくプロデューサーになったんで仕事しませんか?」と。その時の関口は25歳だったんで、「プロデューサーってどういうこと!?」って思ったんです。
深田 25歳でプロデューサーになるなんて、聞いたことないですもんね。
谷田 話を聞いたら「妖怪ウォッチ」のYouTubeチャンネルを開設する、と。関口は当時からネットとかSNSにめちゃくちゃ詳しい奴だったので、その仕事をプロデューサーとして任されたんですね。そもそも彼自身が、元々ニコ生の配信者として日本トップクラスの人間だったんですよ。
深田 あ~、そうなんですね。
谷田 それで、関口が「いかにYouTubeの未来が明るいか?」とか、色々な話をしてくれて、「今後、ウェブの仕事を一緒にやっていきましょう」と言ってもらって。これは可能性もありそうだし、やってみようって思ったんですよ。それまでぼくの放送作家としての武器はスポーツしかないと思ってたんで。その時期、ネット界でバリバリやっている放送作家って、たぶんいなかったので、今からやれば武器になるとも思いましたし。これ言うの恥ずかしいですけど、関口から「谷田さんがウェブ界の鈴木おさむになってください」って言われて、その気になっちゃったんですよ(笑)
深田 なんか青春ですね~(笑)今やウェブ界にも鈴木おさむ本人がいますけどね(笑)
谷田 そうなんすよ(笑)鈴木おさむさん、YouTubeもやられてるんで。こっちにも来るんかい、っていう(笑)
深田 そこからどうやってYouTuberの仕事をやるようになっていったんですか?
谷田 関口が「ネット界のタレントをスターにする仕事がしたい」と、テレビの制作会社をやめて、別の会社に入ったんですね。そこでYouTuberのセクションが新設されて、彼が部長になったんです。ぼくはそこ所属のYouTuberや配信者のブレーンみたいな仕事をやるようになりました。
深田 なるほど~、ぼくは詳しくないんですけど、そこにいた有名な人だとどんな方がいるんですか?
谷田 テレ朝動画で番組やったってアンケートに書いてますけど、“コレコレ”っていう人は、ツイキャスの生配信で同時接続数日本一になってますね。YouTubeでもチャンネル登録者98万人。
深田 へぇ~、ぼくが疎いだけですけど、ネット界にはそういう有名人がたくさんいるんでしょ?
谷田 そうですね。似たような名前で“まふまふ”っていう歌い手さんなんか、さいたまスーパーアリーナでライブやると2DAYSが即完ですからね。
深田 マジですか!? すごいな~。
谷田 まふまふさんとは、Yahooのトップページで配信された番組でご一緒したんですけど、拡散力が尋常じゃなくエグイんです。Twitterのトレンドランキングは、12回配信したうちの10回が1位になりましたからね。番組は水曜23時から配信していたんですけど、その頃って「水曜日のダウンタウン」でモンスターハウスがやっていて、22時台はモンスターハウスがトレンド1位で、23時台からまふまふがそれを抜いて1位になるっていう感じでしたよ。
深田 すごいな~。
谷田 テレビマンの使命は視聴率を取ることですけど、ウェブの世界では視聴率じゃなくて“視聴熱”、視聴者の熱を作り出すことが大事なんです。すごい熱量を持ったファンを抱える有名人が、ネット界にはまだまだたくさんいるんですよ。テレビマンってまだそういう視聴熱を稼げるネット界の有名人を、テレビで使おうって発想がないじゃないですか?それはたぶん、ただ知らないだけだと思うんですよね。YouTuber出そうってなったら、とりあえずヒカキン? みたいな。
深田 たしかに、よく見ますね。
谷田 もちろんヒカキンさんはめちゃくちゃすごいけど、実は視聴熱という尺度なら、もっと上の人がいるんですよ。だから、ネットのことも、テレビのことも知っているぼくが、その架け橋になりたいと思うんですよね。近い将来、いやもうすぐだと思うんですけど、テレビは広告収入以外にも、収益の軸が必要になる。有料のコンテンツやイベントを売るとか、番組に付随するサービスとか、やりかたはいろいろあると思いますが、稼げる番組とはなんなのか?僕は視聴率の高い番組とは限らないと思います。3層4層で視聴率とってる番組のグッズ、たぶん売れないですよね?そういう時代でモノを言うのが、高額のグッズでもお金を出すほど熱量の高いファンがたくさんいる番組。視聴熱の高い番組です。
深田 なるほど。
谷田 たとえば、「ゴッドタン」は「マジ歌」のイベントを横浜アリーナでやってますよね。多くの人を動かせる、典型的な視聴熱の高い番組だと思います。そういう意味でも、僕は佐久間さんすごいなと思います。
深田 まだテレビ界は視聴率で動いているという感じですかね?
谷田 出入り業者の僕がこんなこと言うのもなんですけど、世帯視聴率だ、個人視聴率だ、という議論を超えた議論が必要かなと。まだテレビってそこにちゃんと目を向けられていないのかな、という気もするし。特に制作の人達は。
深田 谷田さんは演者だけでなく、テレビマンを外の世界とつなげようという動きもされてますよね?
谷田 はい、ぼくは縁あって広告系の仕事もたくさんやってきました。だからこそ体感してるんですけど、テレビのディレクターや放送作家の“映像を作る能力”は圧倒的に高いと思うんです。
深田 あ~、そう思いますか?
谷田 はい、断言できます。もちろん15秒のCMを作る技術では広告の方が上ですけど、尺の長い広告動画ならテレビの人達強いですよ。笑いを作るのもうまい。ドラマもドキュメントもできる。押し付けがましくない広告を作ることができる。あと、現場を仕切る能力もテレビの人間はめちゃくちゃ高いと思います。
だから、CMとか広告とか色々なジャンルの業界と、テレビマンをつなげる仕事を、僕がやります。もう実際に動いていて、外の世界に打って出るチームを作っています。そのうち発表できると思いますが、業界の人が見たら「おぉ!」ってなるメンバーが参加してくれてます。
深田 それはおもしろそうですね。
谷田 たとえば、おもちゃ会社と一緒に新商品を考えるとか、プロスポーツのハーフタイムショーを考えるとか、下町ロケットみたいな会社のブランディングを考えるとか。
深田 そんな仕事、テレビの人に回ってくるんですか?
谷田 はい、僕は実際にやってます。テレビマンの脳みそとスキルがあれば、絶対におもしろいものが作れます。作り手としても、ちょっとワクワクしませんか?
深田 しますします。
谷田 テレビマンの才能をテレビだけで終わらせちゃうのはもったいない。だから、テレビマンの世界を広げたいんです。これは放送作家としてテレビのメインストリームから外れ、他業界の色々な仕事をやって、邪道を歩んできたぼくだからこそ出来る仕事だと思ってます。この構想に取り組み始めてから、放送作家としてのコンプレックスとか、嫉妬は無くなってきましたね。自分だから出来る役割があるって思えるようになってきたので。
深田 楽しみにしてますよ。
コンスタントに更新されていて嬉しいです!自分は業種も違いますがアイディアを生み出す、今回なら目線を大切にするという部分がためになります。物語としてもシンプルにおもしろい!