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これまで私のツイッターに放送作家志望の方から何通も「放送作家になるにはどうすればいいですか?」というDMが届きました。きっとこれを読んでいる放送作家のみなさんも同じ経験をされていると思います。しかし、現役の放送作家ですら「どうすれば放送作家になれるか?」という問いに対する明確な答えは持っていません。なぜなら放送作家のなり方は千差万別であり、ほぼほぼ運だからです。とはいえ、どうしても放送作家になりたいのになれないで悩んでいる人がたくさんいるのは事実。なんとかその人たちのお力になれないものか?この放送作家名鑑が少しでもお力になれないものか?と思って今回の座談会を開催しました。

参加者は以下の3名。
京都大学卒の髙橋宏弥さん(27歳)
②大西ライオンさんのYouTubeで動画編集などをしている古島慎太郎さん(23歳)
③秋元康さん・佐久間宣行さんがプロデュースしていたテレビ東京の番組「青春高校」に出演していた本多陸さん(21歳)

髙橋宏弥さん(27歳)
生年月日 1994年2月2日
出身 広島県広島市
最終学歴 京都大学大学院理学研究科修士課程修了
得意分野 音楽 パチンコ サッカー 数学

古島慎太郎さん(23歳)
生年月日 1998年4月10日
出身 神奈川県
最終学歴 法政大学社会学部メディア社会学科
得意分野 ゴルフ 競馬 音楽 野球 ゲーム

本多陸さん(21歳)
生年月日 2000年11月6日
出身 茨城県つくばみらい市
最終学歴 つくば開成高等学校
得意分野 ラジオ アニメ 声優 お笑い芸人

この記事を読んだ現役の放送作家やディレクターの方に「この子、今度の企画会議に呼んでみようか」「この番組のリサーチで入ってもらおうか」と思っていただけるようなアピールポイントを引き出していきます。

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深田 みなさん、今日はよろしくお願いします。いきなり放送作家として番組に呼ばれるというのは稀ですし、運次第ですので、ここではみなさんが企画会議に呼ばれたり、作家兼リサーチとして番組に呼ばれるために「どんな知識を持っているか?」「どんなことができるか?」をアピールする場にしようかと思っています。2ブロックに分けてみなさんの「得意分野」と「人間性」について聞いてきます。まずはみなさんの「得意分野」を掘っていきたいと思いますが、まずは髙橋さんから。プロフィールで真っ先に目を引かれたんですけど京大出身なんですよね?

髙橋 はい、2021年の春に京大の大学院を卒業して上京してきました。浪人したりしたので今27歳なんですけど。

深田 就活はしなかったんですか?

髙橋 一応したんですけどあまり行きたい企業もなくて志望していた企業にも受からなかったんです。銀行が第一志望だったんですけど本気で働きたいかというとそうではなかったので今思うと受からなくて当然なんですけど。元々テレビの裏方のお仕事に興味があったんですけど、就活がうまくいかなくて改めてテレビのお仕事をしたいと思って放送作家を目指そうと思いました。

深田 京大で勉強していたことも含めてテレビの仕事に生かせそうな得意分野ってありますか?

髙橋 大学では化学を専攻していました。有機E Lに使える効率のいい分子があるんですけど「なんでその分子が効率がいいか?」とかを研究していました。なので大学で勉強していたことはテレビ番組で使えるような知識ではないと思います(笑)。

深田 確かにそれをテレビ制作の現場で使える場面は少なそうですね(笑)。でもロジカルに考える頭の良さがあるという証明書を持っているようなものだからその経歴は言っていっていいと思いました。では勉強以外で得意な分野は?

髙橋 音楽・パチンコ・サッカーの知識はそれなりにあると思います。音楽は父がDJをやっていたので小さい頃からHIPHOPとR&Bが好きでその2つに関してはけっこう聴いていると思います。HIPHOPは日本も海外も両方好きで、日本だとKID FRESINOさんやC.O.S.A.さんが好きです。海外だと、最近はSminoやSabaのようなシカゴ出身のラッパーの曲をよく聴きます。あとはまだやっていないんですけどMPCという機材で自分でHIPHOPのビートを作るのに挑戦しようかなと思っているところです。パチンコに関しては休みの日は必ず行っていますね。特に「CR戦姫絶唱シンフォギア」という台には学生時代ピンチの時に本当に助けられました(笑)。エクセルで収支表を作ってグラフ化してまとめているんですけど一応トータルの金額はプラスですね。

深田 収支表を作ってるところがインテリっぽいですね(笑)。

髙橋 サッカーは小学生の頃から大学卒業するまで20年間やっていたので、実力的にはサッカーエリートには勝てないけどそこそこしかやっていなかった人には勝てるかなというレベルだと思います。地元のサンフレッチェ広島が好きでよくTwitterなどで試合結果をチェックしています。

深田 分かりました。ちなみに京大に行ける頭の良さっていうのは努力家タイプなんですか?それとも単純に勉強が得意なんですか?

髙橋 それでいうと得意だと思います。勉強量はそんなに多くなかったので。僕は幼い頃から母親の教育がしっかりしていて幼稚園で九九とかが出来ていたんです。たぶんそのおかげで勉強が得意になったと思います。足が速いとかと一緒で勉強が得意という感じだと思います。

深田 それは「頭がいい人」っていうのが確定ですね(笑)。記事では伝わりにくいですけど人間的にインテリ感を醸し出しちゃう嫌味な雰囲気もないのでそこもいい気がしました。では続いて古島さん、得意分野は?

古島 得意とは言えないですけど趣味でゴルフをやっています。ゴルフを好きになって仕事としてもやれればと思って大西ライオンさんがやっているゴルフのYouTubeチャンネルにDMをして、今は動画編集や撮影のお手伝いをさせてもらっています。今、僕の周りでもそうですけど若者の間でゴルフがブームになっていますし、僕自身が渋野日向子さんら黄金世代と同い年なので、若者ゴルファーとして仕事に携われたらいいなと思います。

深田 そもそもですけど古島さんは放送作家志望で23歳でゴルフやるってお金的に大丈夫なんですか?

古島 もちろんお金は全然ないですけど実家暮らしなんでなんとか(笑)。

深田 なるほど、実家なんですね。DMする行動力が素晴らしいですよね。今回この座談会に応募してきてくれた人の中から古島さんを選ばせていただいた理由が、放送作家の樅野さんのツイートで「放送作家志望の子からDMをもらって食事をしてきた」っていうのを見て、そのツイートに対して古島さんが「ありがとうございました」って返信してたから、こういう行動力があって樅野さんが会ってみようと思えるようなメッセージを送れる人っていいなと思ったんですよ。

古島 ありがとうございます。樅野さんからは企画書の書き方や企画の考え方などあらゆることを教えていただいて3時間ぐらいの食事会の間、金言だらけでした。それを覚えて帰るのにとにかく必死でした。今は樅野さんや谷口さんにいただいたアドバイスをもとに自分で企画書を作ったりしています。

深田 いいですね。あとは得意なことありますか?

古島 僕も音楽はそれなりに詳しい方だと思います。大学時代にベースを始めて、ベーシストの吉田一郎さんに直接連絡してお会いさせていただいてから、1年間ほどベースを教わっていました。ジャンルはまんべんなく聴くんですけど強いて好きなジャンルを挙げるならファンクですね。日本だとBRADIO(ブラディオ)というバンドが好きです。モータウンの音楽が好きなので、スティービーワンダーやジャクソン5とかをよくコピーしてました。『メイキング・オブ・モータウン』という映画も観にいきました。今はNetflixで配信されていて、面白いのでぜひ。あとは23歳としては昔のテレビにも詳しいと思います。テレビ史とか芸能史を調べるのが好きでドリフとかクレイジーキャッツの時代のテレビ番組もYouTubeで見たり、テレビのスキマさんというライターさんが書かれた『1989年のテレビっ子』という本も読んだりしました。もちろん今のテレビもYouTubeも好きでよく見てます。

深田 ちなみにテレビ好きになったきっかけは何かありますか?

古島 これっていうきっかけはなくて父親がバラエティ好きでよく見ていたので物心ついた時から僕も好きになっていました。小学生の時に『ゴッドタン』でアイドルのおっぱいを見ようみたいな企画を見ていた記憶があります(笑)。

深田 あれを見ていたのが小学生ってやっぱり若いですね(笑)。

古島 あとは色々なことを面白がれる性格だと思うので趣味が幅広いところはアピールできるかと思っています。中でもゴルフ、音楽、競馬、野球、ゲームはそれなりに詳しいと思います。

深田 分かりました。では本多君にいかせてもらいます。本多君が出演していた『青春高校』という番組を僕も担当させていただいていたんですがお話はしたことないんですよね。ちなみに今日はなんでスーツなんですか?(笑)

本多 気合を入れたいなと思って(笑)。

深田 たぶん本多君は真面目キャラだから「いつもスーツを着ている子」っていうキャラもいいかもしれないですね(笑)。

本多 実はそれを本気で考えてまして。真面目で静かな奴と思われがちなのでそういう存在を覚えてもらうための努力もするべきなのかなと思っています。

深田 本多君は元々引きこもりでオードリーさんのラジオをきっかけに社会復帰を果たしたというストーリーがあるんですよね。得意分野はお笑いに詳しいということですかね?

本多 そうですね。プロのテレビマンの方々に向けてどれくらい詳しいと言えるかは分からないですけど、M-1で言うと準々決勝まで進まれているような芸人さんについてはほとんど知ってます。最近は芸人?かは微妙ですが、ダウ90000さんが好きで良くチェックしています。あとは、ワタナベNO.1決定戦で優勝したゼンモンキーさんもYouTubeの動画はほとんど見させてもらってます。最近は学生お笑いも流行っているので、まだあまり知らないのですが、これからチェックしていきたいと思ってます。ラジオもよく聴くので芸人さんや声優さんの深夜ラジオもわりと詳しいと思います。

深田 声優さんも詳しいんですか?

本多 はい、元々アニメが好きでラジオ好きになったという流れなので。何年か前までは今ほど声優さんがテレビに出ることが多くなかったので声優さんの声を聴くためにはラジオだったんですよ。なので芸人さんと声優さんのラジオはよく聴いてきました。

深田 アニメ好きというのはいいと思います。実際に『青春高校』で出演していた宇都木さんという女の子がテレ朝の声優さんの番組で放送作家として入ってますもんね?『青春高校』もやられていた放送作家のなかじまはじめさんに呼んでもらって。

本多 そうなんですよ。アニメ好きのガチ感が僕より宇都木さんの方が上なんで仕方ないんですけど、そこは悔しいですね(笑)。

深田 ちなみに好きな声優さんは?

本多 水瀬いのりさんという声優さんです。ベタですけど、やっぱり「リゼロ」でのレムの演技は最高でしたね。男性声優さんだと、諏訪部順一さんとか関智一さんとか津田健次郎さん等の、40代の声優さんの色気のあるカッコイイ声が大好きです。

作品で言うと、1番好きなのは「STEINS;GATE」ですね。本編を4周、0の方を3周はしました。そこそこアニメは見てる方だと思うのですが、あそこまで完成度が高い作品はなかなかないと思います。あとは、「鬼滅の刃」を作ってる「ufotable」の作品はよく見てます。やはり、絵の綺麗さが別格で「Fate/stay night〔Heaven’s Feel〕」を映画館で観た時はあまりの綺麗さに戦闘シーンで泣きそうになりましたね。鬼滅の刃もユーフォが作ってなければあそこまで爆発的人気にはならなかったと思います。

あとは好きなキャラとか語れる事はたくさんありますが、ここで語ると長くなるのでここら辺で終わりにしておきます(笑)。

深田 得意分野と言えるかどうか分からないですけど『青春高校』という番組を通じてそうそうたる芸人さんに存在を認識してもらっているというのはアドバンテージと言えるかと思います。

本多 そうですね。バナナマン日村さん、東京03飯塚さん、アンタッチャブル柴田さん、おぎやはぎさん、バカリズムさん、バイきんぐ小峠さん、千鳥さん、三四郎さん、メイプル超合金さんといった方々と共演させていただいて僕みたいな人間の存在を認識してもらっているのは本当にありがたいことだと思っています。あと番組をきっかけに劇団『シベリア少女鉄道』の土屋亮一さんと知り合わせていただいて、今は舞台のお手伝いをさせてもらっているのでそれも番組に出演してよかったことだと思います。

深田 放送作家の仕事でどう活きてくるかは分からないですけど、秋元康さんや佐久間さん含め、そうそうたるみなさんに知ってもらっているというのは誇れることですよね。もしも担当番組の打ち合わせや収録現場でそれらの人たちに会って「お~本多君!」って言われていたら他のスタッフからの見る目は変わると思いますし。

本多 いつかみなさんとご一緒できるように頑張りたいです。

深田 ではここからは記事を読んだテレビマンの方がみなさんの人間性を想像できるようなことを聞いていきたいと思います。髙橋さんは学生時代はどんなキャラクターだったんですか?

髙橋 クラスでは中心にいたと思うんですけど、そもそも学校自体がイケてる人間が集まっている環境ではなかったので(笑)。陽キャでもなく陰キャでもない、中間の人間かなと自分では思っています。

深田 京大に行っているぐらいだから物事を突き詰める性格なんですか?

髙橋 そうですね。何か1つのことを極めるのが好きかもしれないです。それでいうと学生時代は数学が得意で、京大と東大の過去問は問題を見たらどの年度に出題されたかわかるくらいまで完ぺきに分析しました。大学入試本番も「2時間半のテスト時間で問題が6問あったら2時間で5問を解いて残りの30分で見直しをして」という具合に戦略を立ててやっていました。数学の世界には稀に“本物の天才”みたいな奴がいるんですけど、そういう天才を除けば数学では誰にも負けないぐらいのレベルではあったと思います。

深田 その性格は放送作家でも活きてきそうですね。企画の構造というものをとことん突き詰めて「いい企画とは何か?」「数字を獲る企画とは?」「この番組に必要な企画はこういうものだ」というのを言語化できる存在になれれば重宝されるかと。

髙橋 ありがとうございます。

深田 では古島さんは学生時代はどんなキャラクターでした?

古島 僕はクラスの1、5軍的な存在と言いますか、ヤンチャな人たちともおとなしめの人たちともまんべんなくオールマイティーに付き合っていました。人見知りとかはそんなにしないと思います。

深田 樅野さんの件もそうですけど行動力が元々あるタイプなんですか?

古島 自分ではそうは思っていなかったですけど言われてみるとそうなのかもしれないです。高校時代は、放課後に一人で原宿のアパレルショップに行ってタトゥーだらけの店員さんたちと1〜2時間おしゃべりしてから帰るとかしてました。その時、「制服でこんなとこに来るのはお前だけだ」と言われたのがなんだか嬉しかった記憶があります。大西ライオンさんのYouTubeをやりたいと思ってDMしたのもそうですし、大学時代にさまぁ~ずさんが運転手兼作家を募集していて、それに応募して最終面接まで残ったこともあります。ただ、最終面接の前日にそのことを親に言って「受かったら大学やめる」と話したら泣かれてしまいまして(笑)。それでも最終面接に行ったんですけど免許を取って1年未満だったことと、親に泣かれたことも話したら「やる気は分かったけどやめとこうか」となって落ちました(笑)。

深田 親に泣かれても最終面接に行ってる意志の強さがいいですね(笑)。でもそういう行動力は放送作家としてもプラスに働くと思うのでいいと思います。見るからに誠実そうな感じがするので、ガツガツしてうっとうしい人には思われないでしょうし。では本多君は学生時代はどんな感じでした?

本多 僕もクラスの1、5軍という感じでした。そもそもがド田舎の学校で生徒数も少ない学校だったんですけど。部活はバスケをやっていました。

深田 本多君は全然運動できなさそうだけど?(笑)

本多 一応レギュラーで副キャプテンでした(笑)。引きこもりということを言うと運動神経悪そうに思われるかもしれないですけど(笑)。バスケは観るのも好きで、高校バスケ、大学バスケ、最近はNBAもよく観ています。

高校バスケとか大学バスケはやはり、プロとは少し違う感じの熱さが魅力的ですね。今まであまり注目されてなかった最終学年の選手が最後の大会で化けたり、学生生活の全てを懸けてプレーしている感じが伝わってきて熱くなります。

NBAは最近見始めたばかりなので、あまり詳しいとは言えないのですが、好きな選手は「ジミーバトラー」ですね。彼の生い立ちを何かの記事で見て以来大好きです。とんでもなく努力家なところも尊敬します。

あとは、「ドレイモンドグリーン」も好きですね。スーパースター「ステフィンカリー」の相棒的存在で、バスケIQの高さが異常で、観ててゾクゾクします。

「青春高校」の時に、「群馬クレインサンダーズ」さんの試合に呼んでいただいたのが、すごく嬉しかったので、いつかバスケに関わる仕事が出来たら幸せです。

深田 ちなみに引きこもった理由ってなんなんでしたっけ?

本多 いじめられたとかではなくて、部活がしんどくなったけどやめるにやめられなくて学校自体に行かなくなって、という流れです(笑)。

深田 なるほど。真面目ゆえに引きこもってしまった感じですね。確かに番組で見ていてもすぐ投げ出すようないい加減な性格とは思えなかったです。

本多 色んな事から途中で逃げて引きこもりになりました。引きこもっていた時期は本当に地獄のような時間で、逃げる前より逃げてからの方が辛いんだという事に気づいました。もう2度とあんな事にはなりたくないので、この作家活動は絶対に途中で諦めたくないです。

深田 分かりました。少なくとも真面目さはこの記事でも伝わっているかなと思います。では、この記事を見た放送作家やディレクターの方が企画会議やリサーチなどで呼んでくれることを願っておきましょう。みなさんそれぞれで放送作家に向けて活動されてますし、これから活躍していくことを楽しみにしてます。これでみなさんに何かしらのオファーが来たらこの座談会も続けていこうと思っているので(笑)。では本日はありがとうございました。

3人 ありがとうございました。

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